公認会計士ってどんな資格?
公認会計士は、監査および会計の専門家です。
企業は様々な法律から監査が義務付けられてます。そういった企業の監査を独立した立場から行い、財務情報の信頼性を担保しすることが公認会計士の主な業務です。
またその他にも、公認会計士は税理士登録をすることで税務業務を行うことができますし、コンサルティングをメインとしている公認会計士もいます。一般企業に所属して活躍している公認会計士もいます。
金融・資本市場のグローバル化や企業の海外展開等に伴い、活躍のフィールドは世界にも広がっており、公認会計士のニーズは今後も高まり続けていきます。
独占業務
あり。
公認会計士の独占業務は大きく2つあり、
- 財務書類を監査すること
- 財務書類の内容を証明すること
となります。
ただ監査をするだけでなく、監査した財務書類の内容が適正であることを公に証明する業務も含めて独占業務となります。
試験の概要
公認会計士試験には受験資格が無く、年齢・国籍等関係なく誰でも受けられる試験です。
試験は短答式試験と論文式試験の二段階構成となっており、両方に合格する必要があります。
短答式試験
短答式試験は例年5月と12月の2回行われ、
- 財務会計論(簿記、財務諸表論)
- 管理会計論
- 監査論
- 企業法
の4科目となります。
出題形式 | 択一式(マークシート方式) |
---|---|
試験時間 | 合計5時間 09:30~10:30 : 企業法(100点) 11:30~12:30 : 管理会計論(100点) 14:00~15:00 : 監査論(100点) 16:00~18:00 : 財務会計論(100点) |
短答式試験に合格後は、2年間に限り短答式試験が免除されます。
試験日程
※令和4年試験の場合
◎第1回短答式試験
【受験願書配付期間】
令和3年8月10日~令和3年9月10日
【受験願書受付期間】
(インターネット出願)
令和3年8月27日~令和3年9月16日
(書面による出願)
令和3年8月27日~令和3年9月10日
【試験日】
令和3年12月12日
【合格発表】
令和4年1月21日
◎第2回短答式試験
【受験願書配付期間】
令和4年1月14日~令和4年2月18日
【受験願書受付期間】
(インターネット出願)
令和4年2月1日~令和4年2月24日
(書面による出願)
令和4年2月1日~令和4年2月18日
【試験日】
令和4年5月29日
【合格発表】
令和4年6月24日
合格ライン
試験は4科目の合計点数で合否を判定します。
合格ラインは総点数の70%を基準に、問題の難易度等で調整が入ります。最近だと60%台前半でも合格となることが多いです。
論文式試験
短答式試験に合格後、8月に論文式試験が行われます。
科目は、
- 会計学(簿記、財務諸表論、管理会計論)
- 監査論
- 企業法
- 租税法
- 選択科目(経営学、経済学、民法、統計学から1科目)
の5科目となります。
出題形式 | 論述式 |
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試験時間 | 【1日目】 10:30~12:30:監査論(100点) 14:30~16:30:租税法(100点) 【2日目】 10:30~12:30:会計学[午前](100点) 14:30~17:30:会計学[午後](200点) 【3日目】 10:30~12:30:企業法(100点) 14:30~16:30:選択科目(100点) |
試験日程
※令和4年試験の場合
【試験日】
令和4年8月19日~8月21日
【合格発表】
令和4年11月18日
合格ライン
試験は5科目の合計点数で合否を判定します。
合格ラインは総点数の52%を基準に、問題の難易度等で調整が入ります。
ただし1科目でも得点比率が40%に満たない科目がある場合、不合格となることがあります。
合格率
公認会計士試験では、短答式試験と論文式試験の両方の合格率が公表されています。
短答式試験の合格率
短答式試験は年2回実施され、12月の第Ⅰ回試験と5月の第Ⅱ回試験があります。近年の合格率は以下の通りです。
年度 | 実施会 | 合格率 |
令和2年 | 第1回 | 12.1 % |
第2回 | 7.7 % | |
令和元年 | 第1回 | 12.9 % |
第2回 | 9.4 % | |
平成30年 | 第1回 | 13.0 % |
第2回 | 13.6 % | |
平成29年 | 第1回 | 15.3 % |
第2回 | 7.2 % | |
平成28年 | 第1回 | 12.3 % |
第2回 | 10.1 % |
短答式試験の合格率は平均すると10%前後ですが、毎年第1回よりも第2回の方が難しく、合格率も低い傾向があります。
1年で2回受験できることを考慮すると、属人ベースでは20%~25%が短答式試験を合格できることになります。
論文式試験の合格率
論文式試験は年1回、8月に実施されます。近年の合格率は以下の通りです。
年度 | 合格率 |
令和2年 | 35.9 % |
令和元年 | 35.8 % |
平成30年 | 35.9 % |
平成29年 | 37.8 % |
平成28年 | 36.3 % |
論文式試験の合格率は、だいたい35%前後で推移しています。
以上より、属人ベースで短答式試験と論文式試験の両方を合格できる確率は、10%前後となります。難関資格とイメージのある公認会計士ですが、思っているよりも合格率が高いのではないでしょうか。
試験合格後から公認会計士登録までの流れ
公認会計士として登録するためには、2年以上の業務補助に加え、公認会計士試験合格後に3年間の実務補習を終える必要があります。
業務補助
「会計事務所」や「監査法人」など、公認会計士が経営・所属する事務所に2年以上勤務することで要件を満たします。試験合格後に監査法人等に就職し、実務従事することで要件を満たすのが一般的ですが、試験前の職歴でも問題ありません。
実務補習
「実務補習」では、会計教育研修機構が実施する実務講習を受け、3年間かけて必要な単位を取得していきます。講義は平日夜間と土日に週1・2回程度開催され、テスト、レポート、ディスカッションなどもあります。一般的には、試験合格後から業務補助の要件も兼ねて監査法人等に勤めながら、実務補習も受けることになります。
修了考査
実務補習で必要な単位を修得した後、「修了考査」に合格することで登録に必要な要件を全て満たすこととなります。
修了考査の合格率は70%前後とされており、仮に不合格となっても何度でも受験することが可能です。
勉強時間
公認会計士試験の合格に必要な勉強時間は、だいたい3000時間から5000時間と言われています。期間としては、およそ2年です。ただし薬剤師は、仕事柄ほんとにゼロからの勉強となるため、少なくとも2年、場合によっては3年かけるつもりで勉強する必要があります。
薬剤師・薬局業務への活かし方
薬剤師業務や薬局業務に活きることは、ほぼ無いと言っても良いでしょう。管理者や経営者であれば活きる場面もあるかもしれません。
しかし何年もかけて、何千時間という勉強時間を費やして公認会計士試験に合格したのであれば、医薬品業界に強い公認会計士として働いていく方が無難でしょう。それくらいの価値が、公認会計士という資格にはあります。
試験データ
資格名 | 公認会計士 |
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資格区分 | 国家資格 |
受験資格 | なし |
合格率 | 【短答式試験】約25% 【論文式試験】約35% |
試験料 | 19,500円 |
試験日 | 【短答式試験】12月、5月 【論文式試験】8月 |
問い合わせ先 | 公認会計士・監査審査会 |