IT・情報系

ITパスポート

ITパスポートってどんな資格?

ITパスポート試験とは、ITに関する基礎的な知識を証明できる国家試験です。
経済産業省では「情報処理の促進に関する法律」に基づき、情報処理技術者としての知識・技能が一定レベル以上であることを認定するための『情報処理技術者試験』という国家試験を実施しています。全部で12ある試験のうち、ITパスポート試験は難易度が一番低く、ITを利活用する全ての社会人や学生を対象としています。

 独占業務

なし

試験形式と出題範囲

ITパスポート試験に限らず、すべての情報処理技術者試験には受験資格がありません。学歴、年齢、国籍に関係なく誰でも受験が可能です。

 試験形式

ITパスポート試験ではCBT方式が採用されており、希望する試験会場と時間で受験することが可能です。
試験時間は120分で、四肢択一の問題が100問出題されます。

出題形式 四肢択一式
問題数 100問
試験時間 120分
ネット試験~CBT方式とIBT方式の違い~新型コロナウイルスの影響もあり、資格試験の形式も大きく変わりつつあります。 大きな変化の1つに、CBT方式、IBT方式を導入する試...

 試験科目

ITパスポート試験の出題範囲は、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の3つの分野に大別できます。

●ストラテジ系(32問)

  • 企業と法務
  • 経営戦略
  • システム戦略

ストラテジ系では、企業経営や法務に関する知識が出題されます。ビジネスに関する一般的な内容であり、薬剤師であっても一番手を付けやすい分野です。

●マネジメント系(18問)

  • 開発技術
  • プロジェクトマネジメント
  • サービスマネジメント

マネジメント系では、システム開発のマネジメントに関する知識が出題されます。システムの運用やサービス向上に必要な内容であり、システム開発における全体的な流れや具体的な手順について理解することが重要となります。

●テクノロジ系(42問)

  • 基礎理論
  • コンピュータシステム
  • 技術要素

テクノロジ系では、ITの基礎となる二進法などの数学的基礎理論や、PCの仕組み、アルゴリズムに関する知識が出題されます。最もITについて専門性の高い分野であり、薬剤師が受験する上では苦戦が予想されます。問題数も一番多いため、普段ITに関わりの無い方が受験する場合には、この分野に最も多くの勉強時間を充てる必要があります。

※総合評価はストラテジ系32問、マネジメント系18問、テクノロジ系42問の計92問で行われ、残りの8問は今後出題する問題を評価するために使われます。

合格ライン

配点1000点満点のうち、

  • 総合評価点600点以上
  • 分野別評価点もそれぞれ300点以上

これがITパスポート試験の合格ラインになります。

ただしITパスポート試験においてはIRT(Item Response Theory:項目応答理論)に基づいて評価点を算出するため、単純に1問10点というわけではないので注意が必要です。

IRT(項目応答理論・項目反応理論)とは?「問題が難しすぎた」 「問題が悪かった」 試験を受けた後、そう思ったことがある人も多いはず。 人生をかけて勉強した試験なら...

合格率

ITパスポート試験は毎月行われていますが、その結果を年度で合計した合格率は以下の通りです。例年合格率約50%で推移しています。

受験者数 合格者数 合格率
2020年 131,788 人 77,512 人 58.8 %
2019年 103,812 人 56,323 人 54.3 %
2018年 95,187 人 49,221 人 51.7 %
2017年 84,235 人 42,432 人 50.4 %
2016年 777,65 人 37,570 人 48.3 %

合格率50%の内訳としては、

  • 社会人:約60%
  • 学生:約40%

となっています。
これは、特にストラテジ系の内容が、社会人としての知識や経験が点数につながる分野だからです。

勉強時間

ITパスポート試験の合格に必要な勉強時間は、一般的には100時間くらいと言われています。しかし薬剤師は情報処理関係の知識について学ぶことがほぼ無いため、150~200時間くらいを想定しておいた方が良いでしょう。

試験の概要

ITパスポート試験はCBT方式のため、全国47都道府県の会場で随時試験が行われています。
会場によって試験日程は異なりますが、土曜・日曜に試験を実施している会場が多いです。
試験の3ヶ月前から申込可能ですが、日曜日は会場によってはすぐ空席が無くなってしまうため、日曜日に受験予定なのであれば早めに申込することをオススメします。

薬剤師・薬局業務への活かし方

薬局でも最近ではIT機器を利用する機会が増えました。オンライン服薬指導も始まったことから、今後もIT機器の利用が増えるとともに、最低限のIT機器に関する知識は必要となっています。薬剤師や調剤事務でありながらIT機器に詳しい人は少なく、ITパスポート試験に合格できるレベルの知識をもつだけでも職場では重宝されるでしょう。

またITパスポートでは、企業経営や法務に関する知識も出題されます。こういった知識は、今後社内で昇進等を考えている薬剤師や調剤事務にも役立つはずです。

試験データ

資格名 ITパスポート
資格区分 国家資格
受験資格 なし
合格率 約50%前後
試験料 5,700円(2022年4月より7,500円)
試験日 随時実施
問い合わせ先 ITパスポート試験