ビジネス実務系

中小企業診断士

中小企業診断士ってどんな資格?

中小企業診断士は、コンサルティングに関する唯一の国家資格です。
「中小企業」という名前は付いていますが、実際には大企業に勤めるビジネスマンがステップアップのために取得することも多い資格です。中小企業診断士の資格取得を通して財務や会計の知識、企業経営や運営の理論について学ぶことができ、独立しなくても企業に勤めながら、学んだことを活かせる機会が多くあります。

中小企業診断士とMBAの違いビジネスや経営について学んだり資格を取得したいと思った時、中小企業診断士やMBAがよく挙げられます。 しかし、この2つの資格がどう...

独占業務

なし

試験科目

 第1次試験

第1次試験の試験日程と試験時間は以下の通りとなっています。

【1日目】
(午前)

経済学・経済政策 60分
財務・会計 60分

(午後)

企業経営理論 90分
運営管理(オペレーション・マネジメント) 90分

【2日目】
(午前)

経営法務 60分
経営情報システム 60分

(午後)

中小企業経営・中小企業政策 90分

このように2日間で7科目の長丁場な試験です。後述しますが、中小企業診断士試験には科目合格といった仕組みもあることから、戦略的に勉強を進めていくことが合格への近道となります。

 経済学・経済政策

この科目では、

  1. マクロ経済学
  2. ミクロ経済学

の知識が問われます。
経営における意思決定を行うためには、為替相場や雇用物価動向などのマクロ経済指標について理解する必要があります。また、マーケティング戦略や経営戦略・財務戦略を効果的に行うためにはミクロ経済学の知識を付けておく必要もあり、中小企業診断士としてコンサルティングを行っていく際に重要な科目と言えます。

 財務・会計

この科目は、

  1. 会計
  2. 財務

から構成されます。コンサルティングを行ううえで、財務諸表等による経営分析は重要な手段です。財務諸表等から得られる数値を理解・分析するために必要な知識が財務・会計となっています。

 企業経営理論

この科目は、経営の根幹ともいえる

  1. 経営戦略論
  2. 組織論
  3. マーケティング論

から構成されます。これらは、企業の経営に関する現状分析および問題解決、将来の事業計画策定に必要不可欠の知識といえます。コンサルティングを仕事としていくためには一番重要な科目と言えるでしょう。

 運営管理

この科目は、

  1. 生産管理
  2. 店舗・販売管理

について学びます。
「生産管理」では製造業における生産オペレーションについて、「店舗・販売管理」では小売業などの店舗における店舗管理や販売管理について扱うため、薬局やドラッグストアの店舗運営にも活かせる内容となっています。

 経営法務

この科目では、コンサルティングをする上で最低限知っておくべき法律知識が問われます。
経営においてもコンプライアンスが強く求められる現代において、中小企業診断士にとっても法律知識は不可欠となっています。試験では知的財産権と会社法がメインで出題され、その他にも民法などが出題されています。

 経営情報システム

この科目は、大きく

  1. ITに関する基礎知識
  2. 経営情報管理

の2つに分けられます。
現代では経営戦略を考え実行するうえで、ITの知識が必須となっています。コンサルティングを行う中小企業診断士にもITに関する最低限の基礎知識は必要といえます。
この科目は得意な人と苦手な人がハッキリ分かれる科目で、薬剤師には苦手な人の方が多いかもしれません。

 中小企業経営・中小企業政策

この科目は、

  1. 中小企業経営
  2. 中小企業政策

から構成されます。
「中小企業経営」は中小企業の特性や課題、経営の実態を理解する科目であり、前年度の『中小企業白書』の内容が出題されます。「中小企業政策」は、国や自治体が行っている中小企業向けの制作から出題されます。

 第2次試験

第2次試験は筆記式と口述式があり、例年だと筆記式が10月、口述式が12月に実施されます。
第1次試験で全科目合格した場合、その年度と翌年度に限り、第2次試験の筆記式の受験資格が与えられます。
第2次試験の筆記式に合格した場合、その年度に限り口述式の受験資格が与えられます。

【筆記式】
(午前)

事例 I(組織・人事) 80分
事例 II (マーケティング・流通) 80分

(午後)

事例 III(生産・技術) 80分
事例 IV (財務・会計) 80分

【口述式】
筆記試験の事例をもとに、約10分間の面接を行います。

 登録には実務補習か実務従事が必要

中小企業診断士として登録するためには、試験に合格するだけでなく経営コンサルティングの実務経験が必要となります。

登録要件としては

  1. 専門機関による実務補習を受講する(実務補習)
  2. 必要要件を満たした実務に従事する(実務従事)

この2つのどちらかが必要となり、実際にはほとんどの合格者が実務補習を経て登録となります。
薬剤師として働いている方は当然に実務従事の経験が無いため、他の多くの合格者と同様に実務補習を経て中小企業診断士の登録となります。

合格ライン

中小企業診断士試験は、第1次試験と第2次試験の合格ラインだけでなく、第1次試験には『科目合格』という制度が導入されているため、少し分かりにくくなっています。

 第1次試験の合格ライン

第1次試験の合格ラインは以下の通りです。

  • 総点数の60%以上であって、かつ満点の40%未満の科目がないこと。

科目合格制

第1次試験に不合格でも、満点の60%以上を得点した科目は科目合格となります。

  • 科目合格の有効期間は3年間(合格年度含む)
  • 免除申請を行うと、第1次試験で当該科目の受験が免除されます。

 第2次試験の合格ライン

第1次試験で全科目合格した場合、その年度と翌年度に限り、第2次試験の筆記式の受験資格が与えられます。第2次試験の合格ラインは以下の通りです。

  • 筆記試験における総点数の60%以上で、かつ、満点の40%未満の科目がないこと。

また、筆記式に合格した場合は、その年度に限り口述式の受験資格が与えられます。口述試験において評定が60%以上だった場合に第2次試験合格となります。

合格率

【第1次試験】

受験者数 合格者数 合格率
2021年 16,057 人 5,839 人 36.4 %
2020年 11,785 人 5,005 人 42.5 %
2019年 14,691 人 4,444 人 30.2 %
2018年 13,773 人 3,236 人 23.5 %
2017年 14,343 人 3,106 人 21.7 %

【第2次試験】

第2次試験には記述式と口述式がありますが、口述式の合格率は99%以上のため、実質『第2次試験合格率=記述式合格率』となります。

受験者数 合格者数 合格率
2020年 6,388 人 1,174 人 18.4 %
2019年 5,954 人 1,088 人 18.3 %
2018年 4,812 人 905 人 18.8 %
2017年 4,279 人 828 人 19.4 %

受験資格

なし

勉強時間

中小企業診断士資格取得までの学習時間は一般的に約800~1000時間程度といわれています。合格までの学習期間をみると、1年以内の合格者が27%いる一方で、2~3年の学習期間の合格者が40%超ともなっており、長期の計画的な学習が必要な試験といえます

薬剤師・薬局業務への活かし方

特に管理職や、将来は経営層として働きたい薬剤師にオススメの資格です。コンサルティングに関する唯一の国家資格であること、独占業務が無いことなどから、ステップアップのために資格取得する人が多く、それは薬剤師も例外ではありません。例え資格取得まで至らずとも、受験勉強を通して学んだ知識は、薬局経営・店舗運営に必ず役立ちます。

試験データ

資格名 中小企業診断士
資格区分 国家資格
受験資格 なし
合格率 1次試験:20~30%前後
2次試験:20%前後
試験料 1次試験:13,000円
2次試験:17,200円
試験日
問い合わせ先 一般社団法人 中小企業診断協会(J-SMECA)