ビジネス実務系

ビジネス実務法務検定

ビジネス実務法務検定ってどんな資格?

ビジネス実務法務検定は『ビジ法』とも呼ばれ、東京商工会議所が主催している検定試験になります。
ビジネスにおいて、業務のリスクを法的にチェックし、問題点を解決に導く能力は、法務部門に限らず全てのビジネスマンにとって必要不可欠な能力です。
薬剤師においてもコンプライスは非常に重要であり、その前提となるのは法律知識です。
ビジネス実務法務検定では実践的な法律知識を体系的に学ぶことができ、会社や自分へのダメージを未然に防ぐことができるようになります。

 独占業務

なし

受験資格

ビジネス実務法務検定には3級~1級がありますが、3級および2級については受験資格が必要なく、年齢、学歴、国籍関係なく誰でも受験が可能です。また、3級を飛ばしていきなり2級からの受験や、3級と2級を併願しての受験も可能です。

1級については、2級の合格者のみ受験が可能となっています。

3級 なし
2級 なし
1級 2級に合格

出題範囲

【3級】

  1.  ビジネス実務法務の法体系
  2. 企業取引の法務
  3. 債権の管理と回収
  4. 企業財産の管理と法律
  5. 企業活動に関する法規制
  6. 企業と会社のしくみ
  7. 企業と従業員の関係
  8. ビジネスに関連する家族法

【2級・1級】

3級の範囲に加えて

  1. 企業取引の法務
  2. 債権の管理と回収
  3. 企業財産の管理・活用と法務
  4. 企業活動に関する法規制
  5. 株式会社の組織と運営
  6. 企業と従業員の関係
  7. 紛争の解決方法
  8. 国際法務(渉外法務)

1級は2級と比較して出題範囲は同じですが、1級は出題形式が論述式となっており難易度が大幅に上がっています。

出題範囲としては上記の通りですが、実際の試験では

  • 3級:民法に関する出題が約7割
  • 2級:民法、商法、会社法に関する出題が約4割

という傾向があります。

 試験の形式

ビジネス実務法務検定試験の3級・2級は、2021年の試験からIBT方式で実施されることになりました。3週間程度の試験期間のあいだに受験すれば良く、自宅や会社のパソコンからでも受験することが可能です。

IBT試験への移行に伴う経過措置として、2021年度~2023年度に限りCBT試験も実施されます。CBT試験は全国約280会場のテストセンターで受験する方式です。

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3級と2級は選択問題、1級は論述問題となります。
3級と2級では2級の方が問題数が少ないのですが、そのぶん問題が長文化し、事例形式の出題が多くなっています。

【3級】

出題形式 選択問題(正誤問題、空欄補充、四肢択一)
問題数 85問
試験時間 90分

【2級】

出題形式 選択問題(五肢択一)
問題数 40問
試験時間 90分

【1級】

出題形式 論述問題
問題数 共通問題2問
選択問題4問から2問選択
試験時間 午前2時間、午後2時間

合格ライン

3級~1級まで全て70%の得点で合格となりますが、1級においては各問題(4問)において全てで50%以上得点という基準もあります。
2級試験はもともと問題数が40問しかないため、10問~15問ミスするだけで不合格になってしまうという難しさもあります。

【3級】

  • 100点満点のうち70点以上で合格

【2級】

  • 100点満点のうち70点以上で合格

【1級】

  • 共通問題2問・選択問題2問の200点満点のうち、各問題ごとに得点率50%以上、かつ合計点が140点以上で合格

合格率

ビジネス実務法務検定試験の合格率は、3級が約75%、2級が約45%、1級が約15%となっています。ただし合格ラインが得点率70%という絶対評価のため、試験回によって合格率にかなりバラつきがあるというのが現状です。

【3級】

受験者数 合格者数 合格率
2020年 9,372 人 7,097 人 75.7 %
2019年 21,061 人 15,817 人 75.1 %

【2級】

受験者数 合格者数 合格率
2020年 6,890 人 2,990 人 43.4 %
2019年 12,552 人 5,140 人 40.9 %

【1級】

受験者数 合格者数 合格率
2020年 372 人 46 人 12.4 %
2019年 453 人 78 人 17.2 %

勉強時間

ビジネス実務法務検定試験の合格に必要な勉強時間は、一般的に3級は50時間程度、2級は80時間程度、1級は100時間程度と言われており、3級であれば1ヶ月程度の勉強でも合格が可能です。
ただし3級は民法、2級は民法、商法、会社法からの出題が多いということで、薬剤師にとっては初めて勉強する内容のはず。一般の方より少し多めの勉強時間を想定しておくと良いでしょう。

3級 50時間前後
2級 80時間前後
1級 100時間前後

試験の日程

※2022年度の場合

【3級・2級】

申込期間 試験期間
第1シーズン 5月25日(水)
~6月3日(金)
7月1日(金)
~7月19日(火)
第2シーズン 9月13日(火)
~9月22日(木)
10月21日(金)
~11月7日(月)

※2021年度まではIBT方式とCBT方式で試験日程が異なっていましたが、2022年度から統一されます。

【1級】

申込期間 試験日
11月1日(火) ~ 11月10日(木) 2022年12月4日(日)

※1級は年1回、CBT方式のみでの試験となります。

なおIBT方式・CBT方式ともに、試験終了後すぐに合否結果が表示されます。合格証を希望する場合には、合格証購入ページより1枚550円(税込)で購入が可能です。

薬剤師・薬局業務への活かし方

薬局業界・薬剤師業界では常々コンプライスが叫ばれています。また薬剤師である前に一人の会社員であるとも言えるため、ビジネスに活きる実践的な法律知識を学ぶことは、非常に重要です。また、もし大手のチェーン薬局で働いているのであれば、「会社は何故こんなことをするのだろう?」このような疑問の多くが法律に基づいてることも理解できるでしょう。今後、社内での昇進を狙っているのであれば、ぜひ受けておきたい検定試験です。

試験データ

資格名 ビジネス実務法務検定
資格区分 公的資格
受験資格 3級2級は無し(1級は2級合格が必要)
合格率 3級:75%前後
2級:45%前後
1級:15%前後
試験料 3級:5,500円(CBTの場合は別途2,200円)
2級:7,700円(CBTの場合は別途2,200円)
1級:12,100円
試験日 【3級・2級】7月、10-11月
【1級】12月
問い合わせ先 東京商工会議所