NR・サプリメントアドバイザーってどんな資格?
NR・サプリメントアドバイザーは、日本臨床栄養協会が認定する民間資格です。
日本でも保健機能食品やサプリメントが普及しつつありますが、これらは医薬品と食品の中間に位置するものであり、栄養学の正しい理解のもと摂取する必要があります。
消費者に対して専門的な観点から個人個人の栄養状態を評価し、保健機能食品やサプリメントについて適切なアドバイスができること。そして保健機能食品、サプリメントの国民への適正な啓発を行うのがNR・サプリメントアドバイザーです。
日本ニュートリション協会のサプリメントアドバイザーとの違い
NR・サプリメントアドバイザーは日本臨床栄養協会が認定する資格ですが、似た資格として日本ニュートリション協会が認定するサプリメントアドバイザーという資格があります。
非常に紛らわしいですが、違う資格なので間違えないように気を付けましょう。
資格取得の流れ
①日本臨床栄養協会に入会
NR・サプリメントアドバイザーには受験資格が無く、年齢、学歴、国籍問わず誰でも資格を取得することが可能です。しかし最初から試験を受けられるわけではなく、まずは認定団体である日本臨床栄養協会に入会する必要があります。
入会金 | 1,000円 |
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年会費 | 8,000円 |
②研修単位の取得
日本臨床栄養協会に入会後、研修単位を取得します。必要な単位数は40単位。方法としては、
- 通信教育の受講(40単位認定)
- 学術大会への参加(年1回開催、10単位認定)
があります。
学会参加での単位取得も可能ですが、最短で4年かかってしまうため、ほとんどの方が通信教育を受講します。通信教育の概要は以下の通りです。
期間・回数 | 4月~11月までの8ヶ月で合計37コマ(1コマ約30分) |
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受講料 | 通信教育受講料(初回):51,000円 通信教育受講料(再受講):20,400円 |
申込期間 | 3月~9月15日まで |
③認定試験の受験
40単位を取得後、認定試験を受験します。
申込期間 | 9月15日~9月30日 |
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受験料 | 15,300円 |
試験日 | 2022年12月4日(日) |
試験は択一式試験で、120分で90問が出題されます。
出題形式 | 択一式試験 |
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問題数 | 90問 |
試験時間 | 13:00~15:00(120分) |
認定試験の科目
認定試験は、以下の13科目から出題されます。
- NR・サプリメントアドバイザーの役割と倫理
- 基礎の生理学
- 基礎の生化学
- 人間栄養学
- 生活習慣病概論
- 臨床栄養と臨床検査
- 身体活動と栄養
- 食品安全衛生学
- 健康食品
- 臨床薬理学
- 食品機能の科学的根拠
- 行動科学とカウンセリング
- 国内外の関連法規(食品の健康表示と安全性)
科目一覧を見てもらえれば分かる通り、薬剤師であれば学生時代に学んだ内容が多いです。
④5年ごとに資格更新
NR・サプリメントアドバイザーは、5年ごとに資格を更新する必要があります。
更新の条件としては
- 5年の間に50単位を取得
- レポート提出
- 更新費用:5,100円
となります。
ここで気になるのが『50単位の取得』ですが、
- 大連合大会への参加【10単位】
- サプリメントフォーラム聴講【10単位】
- NR・サプリメントアドバイザー通信教育の再受講【20単位】
- レベルアップセミナーweb配信【10単位】
- 日本臨床栄養協会 正会員の継続、更新のための研修単位の取得(50単位)、レポート提出が必要
- 論文発表【10単位】
- 学会発表【5単位】
など、様々な成果により単位を取得していきます。
合格ライン
認定試験の合格ラインは、90問中60%の正解率、つまり54問以上に正解で合格となります。
合格率
認定試験の合格率は、おおよそ50%~60%で毎年推移しています。
ほとんどの方が全37回の通信教育を受講している割には、低い合格率だと思いませんか。しかし薬剤師であれば、学生時代に勉強した内容も多いので、もっと高い確率での合格が狙えると思います。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
2020年 | 484 人 | 303 人 | 62.6 % |
2019年 | 581 人 | 340 人 | 58.5 % |
2018年 | 628 人 | 336 人 | 53.5 % |
2017年 | 585 人 | 329 人 | 56.2 % |
勉強時間
NR・サプリメントアドバイザーは試験の合格に必要な勉強時間は、一般的に50時間程度と言われています。
通信教育の動画は何度でも視聴が可能なので、動画で学習を進める方も多いでしょう。しかし、やはりテキストベースの学習と比べると時間がかかってしまいます。特に薬剤師であれば馴染みのある分野ですから、テキストベースの学習でどんどん暗記していくことで、更に短い勉強時間での合格も可能です。
薬剤師・薬局業務への活かし方
ドラッグストアなど、サプリメントや健康食品について相談を受ける機会の多い薬剤師は、業務に活かしやすいと思います。そういった相談を受けた場合、学生時代に学習した生理学や生化学、栄養学の知識で対応していたのではないでしょうか。
NR・サプリメントアドバイザーの学習をすることで、そのような知識を更に拡げつつ、サプリメントや健康食品との繋がりを学ぶことができます。
資格を持っていることを公表することで、患者さんも安心して相談できるはずです。
試験データ
資格名 | NR・サプリメントアドバイザー |
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資格区分 | 民間資格 |
受験資格 | なし |
合格率 | 50~60% |
試験料 | 15,300円 |
試験日 | 2022年12月4日(日) |
問い合わせ先 | 一般社団法人 日本臨床栄養協会 |