コラム

八士業にのみ認められる権利とは?

突然ですが、「士業」という言葉をご存知でしょうか。

普通に働いていると、「士業」という言葉を使うことはあまり無いかもしれません。医療従事者であれば尚更です。

さらに、「士業」の中には「八士業」と呼ばれる、特別な権利を持つ士業も存在します。

今回の記事では、そんな「士業」や、「八士業」の持つ特別な権利について紹介します。

士業とは

士業とは、○○士と名のついた専門性と公益性が高い職業のことを指します。医師や薬剤師などの○○師と合わせて「士師業」と呼ばれることもあります。

一方で狭義的には、法律や会計の専門家で〇〇士と名のつく専門家のことを「士業」と呼ぶこともあります。

士業の多い分野として「司法、会計、不動産、建築、土木、医療、福祉」があります。
これらの分野は、業務が対象者の生命や身体、生活に直接関わるとともに、公共の安全にも重大な影響を与えるため、社会的責任の大きな職業となっています。

士業よりも師業の歴史の方が長い

職業名として「士」の付く職業が登場したのは明治時代以降ですが、実は「師」と付く職業は明治時代より前から存在しており、歴史としては「師業」の方が長いのです。

しかし「陰陽師」など多くの師業はすでに無くなっており、明治時代より前から存在した師業で今も残っているのは医師と薬師(薬剤師)のみです。

現在のその他の師業は、士業と同じく明治時代以降に登場した職業となります。

八士業とは

そんな士業の中でも、ある権利が認められている士業を「八士業」と呼ぶことがあります。具体的には、

の8つの士業です。

では、これら8つの士業に認められる権利とは何なのか。

それは職務上請求の権利です。

職務上請求とは

職務上請求とは、受任した職務を遂行するために必要な範囲で、第三者の住民票・戸籍謄本等を請求することができる制度のことです。

本来、住民票・戸籍謄本等は本人に委任状がない限り第三者は取得できません。

しかし士業の仕事として、委任状なしに住民票・戸籍謄本等を取得できないと、仕事にならない場合があります。

そんな場合のために、一定の要件を満たしたときに委任状なしでも取得を認める制度が職務上請求です。

もちろん住民票・戸籍謄本等は個人情報の塊ですので、倫理観に基づいた適正な利用が求められています。

まとめ

以上、今回は八士業にのみ認められる職務上請求の権利について紹介しました。

士業自体が社会的責任の大きな職業ですが、その中でも八士業は職務上請求の権利を有し、倫理観の求められる職業となっています。

当然それだけのやりがいがある職業でもありますので、興味を持った方は士業・八士業の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。