ケアマネージャーってどんな資格?
ケアマネージャーは正式名称を「介護支援専門員」といい、2000年の介護保険制度導入に伴って創設された公的な資格です。
介護を必要とする方が介護保険サービスを受けられるようにケアプラン(サービス計画書)を作成したり、サービス事業者との調整を行ったりするのが主な仕事です。
サービスの利用者と提供者の橋渡し役となるため、しっかりコミュニケーションを取って信頼関係を築くことが大切となる仕事です。
独占業務
なし。
ケアマネージャーには独占業務が無く、名称独占といった法的制限もありません。
ケアプラン作成が独占業務のような印象を受けますが、実際にはケアマネージャーだけでなく、介護保険の利用者やその家族でも作成が認められています。ただ現実的には、ほとんどのケースでケアマネージャーがケアプランを作成しています。
また、資格取得者以外が名称を使用できないといった名称独占でもありません。
試験科目
ケアマネジャー試験の問題形式は、5つの選択肢から正しいものを複数選んで回答する五肢複択式であり、ほとんどの都道府県ではマークシート方式が採用されています。
問題形式 | 五肢複択式 |
---|---|
問題数 | 60問 |
試験時間 | 2時間 |
試験科目としては、大きく
- 介護支援分野
- 保健医療福祉サービス分野
の2つに分けられます。
「介護支援分野」からは
- 介護保険制度の基礎知識
- 要介護認定等の基礎知識
- 居宅・施設サービス計画の基礎知識
などの内容で25問出題されます。
「保健医療福祉サービス分野」からは
- 保健医療サービスの知識等:20問
- 福祉サービスの知識等:15問
で、合計35問が出題されます。
合格ライン
ケアマネージャー試験の合格ラインについては
- 介護支援分野、保健医療福祉サービス分野ごとに、正答率70%を基準として、問題の難易度で補正
となっています。合格ラインは毎年変動しますが、目安として各分野70%と考えておくと良いと思います。
合格率
2018年から受験資格が厳しくなったため、受験者数も大きく減っています。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
2020年 | 46,415 人 | 8,200 人 | 17.7 % |
2019年 | 41,049 人 | 8,018 人 | 19.5 % |
2018年 | 49,333 人 | 4,990 人 | 10.1 % |
2017年 | 131,560 人 | 28,223 人 | 21.5 % |
受験資格
ケアマネージャー試験は、2018年度にから受験資格の要件が厳しくなりました。しかし薬剤師であれば、薬剤師として5年以上の業務経験があれば受験資格を満たすことができます。
受験資格としては、以下①②のいずれかを満たす必要があります。
- 特定の国家資格を保有している場合
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士含む)、精神保健福祉士のいずれかを保有し、これらの資格に基づく業務の実務経験が通算5年以上であり、かつ従事した日数が900日以上。 - 介護施設などで相談援助業務などに従事している場合
生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員として、受験資格に定められる相談援助業務に通算5年以上の従事期間があり、かつ従事した日数が900日以上。
なお、都道府県によって若干異なる可能性もあるため、詳細については受験地の担当部署に確認しておくことをオススメします。
試験前日までに満たせばOK
実務経験は、試験前日までカウント可能です。
申し込み時点で実務経験が足りていなくても、「実務経験見込証明書」を提出することで、受験することができます。ただし、研究業務、教育業務、事務、営業等はカウントされないので注意しましょう。
勉強時間
ケアマネ試験に合格するためには、一般的に100~200時間の勉強が必要と言われています。
試験の概要
※2021年の場合
【受験申込期間】
2021年6月上旬~下旬(※都道府県によって異なります)
【試験日】
2021年10月10日(日)
【合格発表】
2021年12月2日(木)
登録には実務研修の受講が必要
試験に合格しても、すぐにケアマネージャーとして仕事ができるわけではありません。試験合格後は、各都道府県で実施される介護支援専門員実務研修を受講する必要があります。
実務研修の内容としては、
- 講義・演習:87時間
- 現場実習:3日間
となっており、講義・演習についてはDVDでの受講も可能となっています。
現場実習も3日間行われ、そこでケアプラン作成のための基礎技術を習得します。
実務研修の費用はだいたい5万円前後となっていますが、都道府県や実施団体により異なるため確認必要です。
ケアマネージャー試験合格の翌年に実務研修を受講するため、実際にケアマネージャーとして仕事が出来るようになるのは試験合格の翌年7月頃からとなります。
薬剤師・薬局業務への活かし方
ケアマネージャー試験の勉強をすることで、介護分野の知識を深めることができます。
近年は、以前よりも「医療」と「介護」がより密接に関係するようになりました。
薬剤師や調剤事務が介護分野の知識も深めることで、「医療」と「介護」の両方の視点から患者様のことを考えることができ、より患者様に最適なケアを提供できるようになります。
試験データ
資格名 | ケアマネージャー(介護支援専門員) |
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資格区分 | 公的資格 |
受験資格 | あり |
合格率 | 10%~20%前後 |
試験料 | 10,000円前後(都道府県により異なる) |
試験日 | 10月10日(日)※2021年の場合 |
問い合わせ先 | 社会福祉振興・試験センター |