世の中には数多くの資格がありますが、その中には業務独占資格というものがあります。
これは、ある業務に対して、ある資格を有する者のみ行うことのできる旨が法令に定めてる資格のことをいいます。
例えば薬剤師は薬剤師法19条により、
『薬剤師でない者は、販売又は授与の目的で調剤してはならない。』
と定められており、業務独占資格です。
そんな業務独占資格ですが、業務独占はさらに
- 有償独占
- 無償独占
に分けられます。
士業の関係で働いていなければ意外と知らない人も多いので、今回は紹介しようと思います。
有償独占とは
有償独占とは、有償(報酬を貰う)場合にのみ独占業務となることを意味します。言い換えれば、無償(報酬を貰わない)場合には独占業務にはならないということです。
主な有償独占業務の資格としては、
- 弁護士
- 弁理士
- 公認会計士
- 社会保険労務士
- 行政書士
が挙げられます。
無償独占とは
無償独占とは、無償(報酬を貰わない)場合であっても独占業務となることを意味します。無償であっても有資格者しかその業務を行えないということです。
主な無償独占業務の資格としては、
- 司法書士
- 税理士
が挙げられます。
独占業務の難しさ
薬剤師として働いていると、独占業務が解釈次第というのは何となく理解できると思います。『調剤』が独占業務ではありますが、じゃあどこからどこまでが『調剤』なのかは難しいところですよね。時代によって解釈が変わっていったりもします。
ここに更に有償か無償かという解釈まで加わるので、実は有償独占・無償独占の問題は非常に難しくなります。
例えば有償独占の業務は無償で行い、それ以外の業務で相場より高額な報酬を貰っていたらどうでしょうか。
このように、独占業務については頻繁に問題となり、しかも解決されることは滅多にありません。
何か資格を取ろうと思ったとき、「無償独占」の資格が強いんじゃないかと思う方もいると思います。
しかし意外とそんなことはなく、有償独占なのに実質無償独占のような資格もありますので、気にしすぎず自分が取りたいと思える資格の勉強をしてもらえればと思います。