AFP、CFPってどんな資格?
FPとして活躍している先生方に注目すると、AFPやCFPといった肩書きを持つ先生が多いことに気付くはず。実は、FP技能士と密接に関係する資格としてAFP、CFPの資格があるのです。
上の図を見てもらえれば分かる通り、3級~1級FP技能士が職業能力開発促進法に基づく国家検定であるのに対し、AFP、CFPは日本FP協会による認定資格となります。
AFPとは
AFPとは、アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナーの略称です。
AFPとして認定を得るためには、
- 2級FP技能検定の合格
- AFP認定研修の修了
といった要件を満たし、日本FP協会へ登録する必要があります。
現在、日本全体では約16万人(2021年3月時点)が活躍しています。
CFPとは
CFPとは、サーティファイド・ファイナンシャル・プランナーの略称です。
北米、アジア、ヨーロッパ、オセアニアを中心に世界25カ国・地域(2021年3月時点)で導入されており、「世界が認めるプロフェッショナルFPの証」です。
CFPとして認定を得るためには、
- AFP認定者
- CFP資格審査試験に合格
- CFPエントリー研修修了
- 一定の実務経験
といった要件を満たす必要があります。
原則として一国一組織により資格認定が行われており、日本においては日本FP協会が国際CFP組織FPSBとのライセンス契約の下に認定しています。日本全体では約2.3万人(2021年3月時点)が活躍しています。
AFPの取得
AFPとして日本FP協会の認定を得るためには、前述の通り
- 2級FP技能検定の合格
- AFP認定研修の修了
の要件を満たす必要があります。このうち『2級FP技能検定の合格』については以下の記事で紹介しています。
AFP認定研修の修了
『AFP認定研修の修了』ですが、AFP認定研修には基本過程と技能士過程があります。このうち、
- 2級FP技能検定に合格している方:技能士過程
- 3級に合格せず2級FP技能検定を受験し、AFPを目指す方:基本過程
を受講する必要があります。
多くの方は『3級合格→2級合格→AFP認定研修(技能士過程)受講→AFP認定』のルートを選びます。
AFP認定研修は様々な団体で行われており、下記サイトで検索が可能です。
日本FP協会で作成している電子カタログでも紹介されており、料金などが分かりやすいです。
ほとんどの講座がネット学習やDVD学習のみとなっており、最後にライフプラン提案書を作成し、添削を受けます。料金は1万~2万程度です。
AFP認定研修を修了し、日本FP協会にてAFP資格登録手続きを行うことで、AFP認定者となることができます。
CFPの取得
前述の通り、CFPの取得には以下の要件を満たす必要があります。
- AFP認定者
- CFP資格審査試験に合格
- CFPエントリー研修修了
- 一定の実務経験
CFP資格審査試験
CFPを取得する上で、もっとも大きなハードルがCFP資格審査試験です。
AFPは2級FP技能検定に合格していれば認定研修を修了するだけで取得できましたが、CFPには試験があります。
試験日 | 例年2回、6月と11月 |
---|---|
試験時間 | 1科目120分 |
出題形式 | 四肢択一式(マークシート式) |
問題数 | 50問 |
受験料 | 1科目:5,500円 2科目:9,900円 3科目:14,300円 4科目:18,700円 5科目:23,100円 6科目:27,500円 |
試験は例年2回、6月と11月に2週にわたって実施されます。
【1週目の日曜日】
- 9:30~11:30 金融資産運用設計
- 12:30~14:30 不動産運用設計
- 15:30~17:30 ライフプランニング
【2週目の日曜日】
- 9:30~11:30 リスクと保険
- 12:30~14:30 タックスプランニング
- 15:30~17:30 相続・事業承継設計
CFP資格審査試験では科目合格制がとられており、1度に全ての科目を受験する方もいれば、1回に1科目ずつ確実に合格していく方もいます。
科目合格の期限はありませんが、2年ごとの更新忘れなどでAFP認定が取り消されてしまうと、合格した科目もリセットされてしまいます。
CFP資格審査試験の合格率
CFP資格審査試験の合格率は、どの科目もおおよそ35%前後となっています。
合格点は、合格率が35%前後となるように毎回変動するのですが、だいたい100点満点中60点(50問中30問正解)ぐらいと言われています。
2021年6月試験
課目名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
金融資産運用設計 | 4,305名 | 1,501名 | 34.9% |
不動産運用設計 | 2,918名 | 1,033名 | 35.4% |
ライフプランニング・リタイアメントプランニング | 3,138名 | 1,136名 | 36.2% |
リスクと保険 | 3,900名 | 1,494名 | 38.3% |
タックスプランニング | 3,380名 | 1,253名 | 37.1% |
相続・事業承継設計 | 3,277名 | 1,188名 | 36.3% |
2021年11月試験
課目名 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
金融資産運用設計 | 3,752名 | 1,389名 | 37.0% |
不動産運用設計 | 3,028名 | 1,073名 | 35.4% |
ライフプランニング・リタイアメントプランニング | 3,056名 | 1,169名 | 38.3% |
リスクと保険 | 3,673名 | 1,506名 | 41.0% |
タックスプランニング | 3,118名 | 1,169名 | 37.5% |
相続・事業承継設計 | 3,221名 | 1,127名 | 35.0% |
6科目に一度で合格する方は、毎回20~30名程度しかいません。数回に分けて、確実に合格していくのが現実的でしょう。
CFPエントリー研修
CFP資格審査試験で全6課目に合格すると、CFPエントリー研修の受講が可能となります。
CFP資格を取得するためにはこの研修の修了が必須なのですが、費用は無料となっており、全てeラーニングでの受講が可能なため、そこまで大きな負担とはなりません。
実務経験
CFP資格を取得するためには、通算で3年の実務経験が必要となります。
他業種の仕事をしてると、なかなか3年の実務経験は積めません。
しかし認定教育機関が実施する「みなし実務研修」を修了することで実務経験とみなしてもらえるため、時間とお金さえかければ、どうにかなります。
CFP認定者は1級FP技能検定の学科試験が免除
こうして全ての要件を満たすことで、ようやくCFPとしての認定を受けることができます。
そして最後になりますが、CFP認定を受けると1級FP技能検定の学科試験が免除されます。厳密にいうと、
- CFP資格審査試験の6課目合格者:合格した日の翌々年度末まで免除
- CFP認定者:永年免除
となっており、CFP認定は受けていなくてもCFP資格審査試験に合格していれば、翌々年度末までは学科試験が免除されます。
CFP認定だけでも十分すごいのですが、せっかくであれば最後に1級FP技能士まで目指してみてはいかがでしょうか。