その他

労働衛生コンサルタント

労働衛生コンサルタントってどんな資格?

労働衛生コンサルタントは、厚生労働省管轄の国家資格です。企業(事業場)の衛生について診断および指導を行い、働く人の衛生水準の向上を図ります。

近年は、ハラスメントや過剰な時間外労働がニュースになることも多く、そういった事業場をどのように改善していくかという点で、労働衛生コンサルタントの需要は高まりつつあります。

 独占業務

なし

受験資格

労働衛生コンサルタントは、誰でも受験できる試験ではありません。受験資格として様々な項目がありますが、その一部を抜粋します。

  • 大学か専門学校で理科系統の正規過程を修めて卒業して、かつその後5年以上安全の実務に従事した者
  • 短期大学か高等専門学校で理科系統の席過程を修めて卒業し、その後7年以上安全の実務に従事した者
  • 医師国家試験合格者
  • 歯科医師国家試験合格者
  • 薬剤師

上記の通り、薬剤師であれば免許証の写しがあれば受験が可能となります。

試験形式と試験科目

労働衛生コンサルタント試験は、

  • 筆記試験
  • 口述試験

で構成されています。

 筆記試験

筆記試験では、試験科目について

  1. 保健衛生
  2. 労働衛生工学

の2つの区分から1つを選んで受験することとなります。

試験科目 方法 試験時間
労働衛生一般 択一式 10:00~12:00
労働衛生関係法令 択一式 13:00~14:00
健康管理、労働衛生工学 記述式(いずれか1つ選択) 14:30~16:30

科目免除

労働衛生コンサルタント試験には科目免除の制度があります。

薬剤師は科目免除に該当し、「保健衛生」区分での受験において「労働衛生一般」の科目の受験が免除されます。

 口述試験

口述試験では、筆記試験と同様の出題範囲が口頭で問われることとなります。口頭では総合的な判断力等が求められることとなり、この資格試験が難関といわれる理由の一つになっています。

合格ライン

筆記試験

筆記試験の合格ラインは、総点数のおおむね60%以上です。ただし、各科目ごとに満点の40%未満の科目がある場合は不合格となります。

口述試験

筆記試験で合格ラインを満たした場合、口述試験を受験することとなります。この口述試験で、4段階評価の上位2ランクを取ることで合格となります。なお、口述試験の合格をもって、労働衛生コンサルタントの最終合格者となります。

合格率

労働衛生コンサルタント試験の合格率は、約30%です。口述試験の合格率の方が高くなっていますが、これは筆記試験の合格者しか口述試験を受験できないためです。

筆記試験の合格率

受験者数 合格者数 合格率
2020年 439 人 110 人 25.1 %
2019年 424 人 170 人 40.1 %
2018年 358 人 98 人 27.4 %

口述試験の合格率

受験者数 合格者数 合格率
2020年 270 人 142 人 52.6 %
2019年 516 人 271 人 52.5 %
2018年 388 人 166 人 42.8 %

勉強時間

労働衛生コンサルタント試験の合格に必要な勉強時間は、一般的に80~100時間と言われています。薬剤師であれば科目免除があるため、もう少し短い勉強時間での合格も可能です。しかし科目免除の範囲から口述試験で問われる可能性もあるため、過度な期待は禁物です。

試験の日程

※2021年度の場合

筆記試験

【申込期間】2021年7月5日(月) ~ 8月4日(水)
【試験日】2021年10月19日(火)

口述試験

【申込期間】2021年11月1日(月) ~ 11月16日(火)
【試験日(大阪)】2022年1月12日(水) ~ 1月13日(木)
【試験日(東京)】2022年1月25日(火) ~ 1月27日(木)

薬剤師・薬局業務への活かし方

労働衛生コンサルタントは労働安全衛生法に基づく資格であり、学ぶ内容も労働安全衛生法に関連する内容が多いです。
薬局も労働者の働く事業場であり、労働安全衛生法は遵守する必要があります。しかし、労働安全衛生法は意外と知られていない法律であり、守られていないことの多いで法律でもあります。そんな労働安全衛生法について学ぶことで、働く薬局の衛生水準について、改めて確認することが出来るはずです。

試験データ

資格名 労働衛生コンサルタント
資格区分 国家資格
受験資格 あり
合格率 約30%
試験料 24,700円
試験日 筆記試験:10月中旬
口述試験:翌年1月下旬~2月上旬
問い合わせ先 公益財団法人 安全衛生技術試験協会