食事・料理系

食生活アドバイザー

食生活アドバイザーってどんな資格?

食生活アドバイザーとは、広い視野に立って食生活をトータルに捉え、健康な生活を送るための提案ができる『食生活全般のスペシャリスト』です。食生活に様々な変化が起こり、『食』に対する関心も高まる中、今後の活躍に期待の持てる資格です。

食生活アドバイザー試験は一般社団法人FLAネットワーク協会が実施しており、3級と2級の試験が年2回6月と11月に実施されています。1級の試験はこれまで実施されたことがありません。

 独占業務

なし

試験科目と試験形式

食生活アドバイザー試験に受験資格は無いため、年齢、学歴、国籍関係なく誰でも受験が可能です。また、3級を受験せず初めから2級を受験することも可能ですし、3級の試験が午前、2級の試験が午後に行われるため、3級と2級の同時受験も可能です。

 試験科目

試験科目は3級と2級で共通となります。

栄養と健康

  • 栄養
  • 病気予防
  • ダイエット
  • 運動
  • 休養など

『栄養と健康』では、栄養・運動・休養がどのようにして健康づくりに役立つのかが出題されます。ビタミンやミネラルの働きといった内容もあり、薬剤師が一番馴染みある内容の科目です。

食文化と食習慣

  • 行事食
  • マナー
  • 配膳
  • 調理
  • 献立など

『食文化と食習慣』では、調理のコツや献立の工夫、行事と料理、テーブルマナーについて出題されます。日本人であれば誰でも知っているであろう伝統行事から、普段から料理をしていないと分からないような内容もあり、日頃どれだけ食事に関心を持っているかが問われる科目です。

食品学

  • 生鮮食品
  • 加工食品
  • 食品表示
  • 食品添加物など

『食品学』では、食品表示や食品添加物など、食の安全に関わる内容が出題されます。ついつい色々な食品の表示を見るようになってしまう、そんな科目です。

衛生管理

  • 食中毒
  • 食品衛生
  • 予防
  • 食品化学
  • 安全性など

『衛生管理』では、食中毒の種類や具体的な対策について出題されます。薬剤師であれば「衛生」の授業で習った内容も多く、取っつきやすい科目といえます。また、食中毒の具体的な対策など実生活に役立つ内容も多いです。

食マーケット

  • 流通
  • 外食
  • 中食
  • メニューメイキング
  • 食品販売など

『食マーケット』では、物流・流通の形態や食生活の環境の変化について出題されます。多様化する流通について学ぶことで、『薬』の流通についても考えるキッカケを与えてくれる科目です。

社会生活

  • 消費経済
  • 生活環境
  • 消費者問題
  • IT社会
  • 関連法規など

『社会生活』では、身近な経済のことや税金、法律、など「食」を取り巻く社会問題について出題されます。時事問題の要素もあり、日頃から食に関する社会問題等に関心を持っているかどうかが重要な科目です。

 試験形式

3級

3級試験では、五肢択一式の問題が90分で50問出題されます。内容はそれほど難しくありませんが、1問2分以内で解かなければならないため時間との戦いになります。

出題形式 五肢択一式
問題数 50問
試験時間 10:30~12:00(90分)

2級

2級試験では記述式が出題されます。記述式とはいっても論述式ではなく、単語で答えるような形です。答えとなる単語をいかに正確に記憶しているかが鍵となります。2級試験は90分で55問が出題されるため、3級試験以上に時間との戦いとなります。また、六肢に増えることで「該当なし」の選択肢が加わることがあり、そうなると難易度がいっきに跳ね上がります。

出題形式 六肢択一式+記述式
問題数 択一式:42問(1問2点)
記述式:13問(1問3点)
試験時間 13:30~15:00(90分)

合格ライン

食生活アドバイザー試験は、3級・2級ともに60%以上の得点で合格となります。
2級試験に関しては問題数と配点の都合上、123点満点という不思議な試験となっていますが、74点以上で合格となります。

3級 100点満点中60点以上で合格
2級 123点満点中74点以上で合格

合格率

食生活アドバイザー試験の合格率は、

  • 3級:65%前後
  • 2級:40%前後

となっています。

食生活アドバイザー試験では受験者データを公表していないため、受験者数や正確な合格率は不明です。公式サイトのQ&Aで合格率が述べられており、上記の数値となっています。

勉強時間

食生活アドバイザー試験の合格に必要な勉強時間は、一般的に3級で50時間、2級で100時間と言われています。薬剤師であればビタミンやミネラルなどの栄養学や食中毒に関してすでに知識を持っているため、もう少し短い勉強時間でも合格が可能です。

3級 50時間
2級 100時間

試験の概要

食生活アドバイザー試験は毎年2回、6月と11月に実施されます。

※第47回(2022年6月試験)の場合

【願書受付期間】

  • 2022年3月1日(火)~5月16日(月)

【試験日】

  • 2022年6月26日(日)

【合格通知到着日】

  • 2022年7月19日(火)

薬剤師・薬局業務への活かし方

薬剤師が食に関する基礎的な知識を学ぶことは、服薬指導に活きてきます。日頃の業務でも、服薬指導の流れで食生活の話になることはよくあると思います。そういった時、栄養士ほどではないにしても食に関する知識があることで、より質の高いアドバイスが可能となります。
また、まさに食生活に関する知識を学べるため、薬剤師業務や薬局業務だけでなく個人の生活の中でも役立つことが多いでしょう。

試験データ

資格名 食生活アドバイザー
資格区分 民間資格
受験資格 なし
合格率 3級 65%前後
2級 40%前後
試験料 3級 5,000円
2級 7,500円
試験日 例年2回、6月と11月に実施
問い合わせ先 食生活アドバイザー