IT・情報系

マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト(MOS)

MOSってどんな資格?

マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト(MOS)とは、WordやExcelなどマイクロソフト・オフィス製品の利用スキルを客観的に証明することのできる資格であり、マイクロソフトが公式に発表しています。

近年は仕事をしていくうえで、パソコンを使えるというのが必須のスキルとなりました。しかしパソコンを使えるといっても、どの程度使えるのか客観的に評価することは、なかなか難しいです。そんな中、MOSは仕事で必ず使うWordやExcelについて、スキルを客観的に証明してくれます。

また、MOS資格を取得するためには、座学でなく実技でのスキル習得が必須となります。MOS資格取得にむけた学習を通して仕事に必要なスキル習得もできるため、非常にメリットの大きな資格といえます。

 独占業務

なし

試験形式

MOS資格の受験方法には、オンラインまたは郵送で申し込みができる「全国一斉試験」と、最寄りの試験会場で受験できる「随時試験」の2つの受験方法があります。どちらの試験でも受験料や試験内容、合格認定証は違いありません。

 全国一斉試験

【試験実施日時】

  • 毎月1~2回

【試験会場】

  • 全国の一斉試験実施会場より選択

【申込方法】

  • 試験日の約1ヶ月~1ヶ月半前から申込み開始
    インターネット申込

 随時試験

【試験実施日時】

  • 各試験会場が設定した日程
    ほぼ毎日試験を開催しています

【試験会場】

  • 全国約1700の試験会場より選択
    試験会場を探す

【申込方法】

  • 試験会場に直接申込
    試験会場ごとに申込方法や申込期間が異なる

試験科目と称号

MOS試験の科目にはWordやExcelなどの各種ソフトがあり、それぞれ単独で受験することとなります。更にWordとExcelには、一般レベル(スペシャリスト)に加えて上級レベル(エキスパート)も存在し、複数の科目で合格することでMOSの称号を取得することができます。

 Word(ワード)

文書作成ソフトであるWordにはスペシャリスト(一般)レベルとエキスパート(上級)レベルが存在します。

スペシャリスト(一般)レベル

Wordの主な機能を利用して、文字や段落の書式設定、表の作成・編集、変更履歴の管理など、Wordの基本的な操作を理解している方を対象とした資格です。

エキスパート(上級)レベル

Wordの高度な機能を活用して、文書の管理や編集の制限、スタイルの管理やカスタマイズ、フィールド、フォームコントロールの管理、索引や図表目次の作成・管理など、目的や状況に応じたさまざまな機能を使いこなせる方を対象とした資格です。

 Excel(エクセル)

表計算ソフトであるExcelには、スペシャリスト(一般)レベルとエキスパート(上級)レベルが存在します。

スペシャリスト(一般)レベル

Excelの主な機能を利用して、セルやセル範囲への書式設定、数式の作成、テーブル機能、グラフの作成・編集など、Excelの基本的な操作を理解している方を対象とした資格です。

エキスパート(上級)レベル

Excel 2016の高度な機能を利用して、ユーザー設定の入力規則や表示形式、高度な関数の利用や数式のネスト、What-if分析ツール、複合グラフ、ピボットテーブル/グラフを活用したデータの分析や評価など、生産性を高めるためにExcelの利用環境をカスタマイズできる方を対象とした資格です。

 PowerPoint(パワーポイント)

プレゼンテーションソフトであるPowerPointには、スペシャリスト(一般)レベルのみが存在します。

PowerPointの主な機能を利用して、スライドマスターや配布資料マスターの編集、書式設定、アニメーションや画面切り替え効果の設定、スライドショーの設定、アウトライン文書の挿入、ズーム機能の使用、印刷の設定など、さまざまな目的や状況に応じてプレゼンテーションを作成・編集できる方を対象とした資格です。

 その他

その他にも、データベース管理ソフトであるAccessや、電子メール・情報管理ソフトであるOutlookなどの試験が行われています。

 MOSの称号

MOSの称号には、MOS AssociateとMOS Expertが存在します。(WordやExcelのバージョンによっては他の称号も存在します)

MOS Associate

一般レベル(Excel、Word、PowerPoint、Outlook)の4科目のうち3科目を取得すると、「MOS Associate」の認定証が発行されます。この称号は、複数のアプリケーションを効果的に使うことができる総合的なスキルを証明します。

2021年末の時点で、認定者は5,677名となっています。

MOS Expert

MOS Associate認定に加え、上級レベル(Excelエキスパート、Wordエキスパート、Access)の3科目のうち2科目を取得すると、「MOS Expert」の認定証が発行されます。一般レベルのスキルから上級レベルのスキルまで、総合的なスキルを証明します。
※Accessの試験は上級レベルしかありません。

2021年末の時点で、認定者は1,043名となっています。

合格ライン

科目ごとの合格ラインについては公表されていません。しかし目安として、550点~850点の範囲とされています。もちろん試験問題の難易度などにより受験ごとに変動しますが、近年だとほとんどの試験で700点以上の得点なら合格となっています。

合格率

合格率も公式には発表されていませんが、スペシャリスト(一般)レベルの合格率は約80%、エキスパート(上級)レベルの合格率は約60%といわれています。

勉強時間

受験生によってPCスキルにかなり差があるため、一概に何時間というのは難しいです。しかし、普段からWordやExcelなどPC作業を仕事でしている場合には、スペシャリスト(一般)レベルは20時間程度、エキスパート(上級)レベルは50時間程度と言われています。

薬剤師・薬局業務への活かし方

薬局で一般的な業務をしている限りは、WordやExcelを使用する機会はあまり多くないでしょう。しかし管理薬剤師になったり、チェーン薬局で働いたりしていると、本部とのやり取りの中でWordやExcelを使用する機会は増えます。学会発表や社内発表をする際にはPowerPointも必要となるでしょう。

このように、店舗での業務以外に様々なことに挑戦しようと思うと、WordやExcel、PowerPointのスキルは必須となってきます。その一方で薬剤師や調剤事務の中には、これらのソフトを全く使いこなせない方も多いです。もしWordやExcelのスペシャリスト(一般)レベルでも合格できる程度のスキルを身につけることが出来れば、活躍の機会が数多く訪れると思います。

試験データ

資格名 マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
資格区分 民間資格
受験資格 なし
合格率 スペシャリスト(一般)レベル:約80%
エキスパート(上級)レベル:約60%
試験料 スペシャリスト(一般)レベル:10,780円(税込)
エキスパート(上級)レベル:12,980円(税込)
試験日 全国一斉試験:月1~2回
随時試験:随時(試験会場による)
問い合わせ先 マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)